実は騒音対策費用が経営を圧迫する
もう一つ言われている難関がある。伊丹空港の滑走路は国のものだから、騒音対策費は国が負担してきた。一見、ドル箱にみえる伊丹空港だが、「騒音対策費を含めて利益を計算しなおせば、本当にドル箱といえるだろうか」(関西財界関係者)という問題である。
1967年度から2010年度まで、国が伊丹のために予算計上した騒音対策費は、累計で8000億円を超えている。ピークには、年500~600億円の騒音対策費を使い、2010年も34億円を予算化している。
国交省の2空港統合案では、騒音対策費は新設される統合事業運営会社へ継承される。そうなったら、伊丹空港は本当においしい空港といえるのか―。
関西の空港問題は、依然として視界が良好とはいえない状況のようだ。