石油と天然ガスでロシアが復活の烽火

 ロシアの2010年の石油生産量は、対前年比で増加して2年連続世界一。また、天然ガスは大幅に増加し、米国を抜いて世界一に返り咲いた。ロシアの、世界のエネルギー市場へ与える影響が再び増している。

 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の調査によると、ロシアの石油生産量は対前年比2.2%増加して、2年連続で世界一となった。主な要因は、パイプラインの始動による東シベリア油田の増産。ロシアの増産は、OPEC諸国にとって価格面で脅威だ。

 また、天然ガスは2009年にマイナス12.1%と大きく落ち込んだが、2010年には11.6%増加し、米国を抜いて世界一位に返り咲いた。このうちガスプロムが、80%という圧倒的なシェアを握る。

 サウジアラビアは原油価格を維持するために、2009年の原油生産日量1250万バレルを、2010年には同841万バレルに削減。一方でロシアは増産を続け、価格上昇の漁夫の利を得た形。

 仮に2011年に原油価格の大幅な下落局面があれば、サウジアラビアがロシアに対して生産調整を求める可能性もある。ただし、ロシアがこの要請をすんなりとのむ可能性は低いとみられる。

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