東京・銀座を飛び出す資生堂と中国の市場爆発

 資生堂が中国に積極的に進出している。2012年3月期以降も、中国で年率15%以上の売上高増加を目指す方針。中国の化粧品市場は、年率10%以上の速さで成長している。スキンケア中心なのも日本と同様で、日本の化粧品会社には一日の長がある。

 富国生命投資顧問の中川真紀子アナリストによれば、国内化粧品市場はスキンケアが43.8%、ヘアケアが29.7%を占め、この合計で7割強を占める。欧米がフレグランスとメイクアップ中心であるのと対照的だ。

 また、年率10%以上という驚異的な市場拡大を見せる中国市場も、やはりスキンケアが中心。同じアジア人であり、〝美白〟の概念も共通する。中国では都市部を中心に、日常的に化粧をする女性が増加。日本に来る中国人観光客のお土産にも、日本の化粧品は大人気だという。

 資生堂も中国においてスキンケア商品に力を入れる方針で、中国の化粧品市場の規模を1兆4000億円と見積もっている。

 中国の市場拡大はさらに続く。日本で販売している商品は高所得者向けだが、現地生産のターゲットは中所得者。中国の中間所得者層(世帯年間可処分所得5000ドル以上3万5000ドル未満)は、今後10年で2倍に拡大すると言われている。

 中国で化粧をする人口は2005年に2200万人だったが、15年には2億人、20年には4億人に達するとの試算もあり、日本では到底考えられない市場爆発が目前に迫っている。

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