「偶発転換社債（ココ債）」とはあまり聞きなれない用語だが、ある一定の偶発条件に抵触した場合に、普通株に強制的に転換される転換社債。株式に転換できるので、普通転換社債と似ているが、いつでも自由に転換できるわけではない。バークレイズ銀行は、幹部への一部賞与をこのココ債で支払うことを計画中だという。
一定の偶発条件とは、たとえば「発行体の金融機関の自己資本比率が一定レベル以下に低下した場合」などに、強制的に普通株に転換される。一般的な転換社債とは違って、投資家には自分の意思で転換する権利はない。
英フィナンシャル・タイムズは、「バークレイズが、1000人以上の幹部への一部賞与を偶発転換社債（ココ債）」を使って支払う方法の導入を計画」と報じた。
イングランド銀行副総裁はかつて、「ココ債が幅広く採用された場合、銀行セクターにとって危機を防ぐ有効な保険手段になる」と述べている。
上記のような条件が付いている場合、つまり自分の勤務先が経営困難に直面した場合に初めて賞与を現金化できるわけで、あまり有り難い気はしない。商品性を理解できない妻には、内緒でへそくりできるかもしれないが……。
