マカオのカジノ王、スタンレー・ホー氏(89)の一族で、資産をめぐる争いが表面化していることがわかった。英フィナンシャル・タイムズが報じた。ホー氏は香港及びマカオに数多くの土地を保有すると同時に、娯楽、観光、銀行など、多種にわたるビジネスを展開し、「ギャンブルの帝王」「マカオの帝王」と呼ばれる大富豪。
報道によるとカジノ経営SJMホールディングスの親会社(STDM)の株式を、一部の親族に譲渡したことについて、弁護士がホー氏は承認していないと主張しているという。
STDMはSJM株を56%所有。SJMは世界最大のカジノ都市マカオで、カジノ市場のシェア首位を占めている。
ホー氏は1950年代に頭角を現し、61年にマカオのインフラ整備とマカオ観光旅行を広告することを条件に、カジノの独占権を入手。ホー氏の所有する「リスボアカジノ」はマカオのランドマークとなり、その後は9件のカジノを経営していた。
09年8月の転倒事故で手術を受けて以来、健康問題を抱えるホー氏は、徐々に親族への株式譲渡を進めているとされる。