男女の相性を見極める一つの要素として、今注目されているのが、通称・恋愛遺伝子と呼ばれる「HLA遺伝子」。この遺伝子はヒトの体臭にそれぞれの個性を与え、異性に対する好き嫌いの感情に影響を与えている。いわゆるフェロモンと呼ばれる物質だが、人は自分と異なるHLA遺伝子から発せられる匂いに惹かれることが明らかになりつつある。
フェロモンを感じ取るのは大脳皮質の嗅覚系ではなく、別の知覚が匂いを嗅いだという意識のないままに内分泌に影響を与えるという。そうすると、ある人に会うと「なんとなくいい気持ち」がするようで、その人を好ましく思う。いわゆる「第六感」と呼ばれるものだ。
「HLA遺伝子」は言ってみれば「白血球の血液型」のようなもので、この型が違うほど多様性が高くなり、強い子孫が残せることから、この遺伝子の型が違えば違うほど、男女は強く惹かれあうという。
より異なる「HLA遺伝子」は、相手にとって「いい匂い」として感じる。1995年にスイスで行われた実験では、女子学生が最も心地よいと感じた匂いは、その女子学生と最も配列の異なるタイプの遠い遺伝子をもつ男子学生のものという結果が出た。
相手の体臭をかいで「心地よい」と思ったら、遺伝子レベルでも相性が良いと言えるのかもしれない。