プラダが今夏に香港で新規上場へ

 イタリア高級ファッションブランドのプラダ(PRADA)は27日、ミラノ本社で取締役会を開き、年内に香港証券取引所への上場を決めた。

 上場時期は未定ながら、AFPなど多くのメディアは5~7月の間ではないか、と報道している。

 同社にとって、上場計画は10年以上にわたって懸案事項となっており、2008年には取締役会で一度はミラノ証券取引所に上場を決議したこともある。この時は後にリーマンショックが来たため止む無く見送り。だが、結果的にこの見送りが功を奏した形となりそうだ。

 バッグの大ヒットで得た巨額のキャッシュを活かして、90年代の終わりからブランド買収に積極的に乗り出したものの、グッチ、ジルサンダー、ヘルムートラングなどことごとく失敗し結局は売却して終えた。その時の負債を埋め合わせるために資金調達の必要があり、上場を計画するようになった。

 昨年は中国の投資家から株を買い進まれるなど、中国市場での伸びが著しく人気も高い。上場市場でミラノではなく香港になったことで、市場規模から考えても、香港の方が資金調達額も増えることは間違いなさそう。

 企業価値は8000億円とも言われており、香港上場でそれに近い額か、またはそれ以上も考えられる。この上場は、プラダにとってはいいことづくめになりそうだ。


ミウッチャ・プラダ氏

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