幻冬舎に株で損をさせられた投資家たち

 経営陣による株式公開買い付け(MBO)を行った幻冬舎だが、当初のTOB価格は22万円で、公募価格時の約6分の1、初値の約10分の1という提示額に、一部の投資家からは怒りの声も上がっている。

 昨年に1株22万円での公開買付を発表、しかし、ケイマン籍の投資ファンドイザベル・リミテッドが大量に買い付けていたことを知ると、条件を急きょ変更。慌てて提示価格を24万8300円に引き上げた。

 その当時の株価は1株14万円台だったのだ。公開買付価格は、そこから50%以上のプレミアを乗せていることになる。

 しかし、2003年1月の公募価格は1株120万円、上場初値は201万円だった。それを22万円で買い付けをしようとしたということで、「自分たちにとって都合がいいことばかり」などと怒りの声、あるいは「イザベルよくやった」という声も出ている。もちろん、そこまで株価を低迷させるという経営陣の無策もあるのだろうが…。

 塩漬けの人は目も当てられない有様だろう。ただし、それら不確定要素を含めて投資なのは、言うまでもない。

 臨時株主総会を2月15日に開催されるが、議決権ベースで3分の1以上を保有するイザベルがどう動くのか、あるいは守る側の幻冬舎はどう動くのか、まだ目が離せない。

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