日本では若者は金持ちになれない

 「In Japan, Young Face Generational Roadblocks」という風刺コラムが米紙ニューヨークタイムズに掲載された。簡単に言えば、日本の若者は世代の壁に阻まれているという意味だ。日本国債の格下げのタイミングで発表されたコラムだけに、痛切な内容となっている。

 コラムの中で、「日本の起業家は年寄りが多い」とズバリ指摘している。経産省によると、2002年20代の起業家はわずか9.1%だった。同年、米国では20代の起業家が25%を占めていたといい、日米の違いを明らかにしている。その原因は、既得権者が自分たちの競争相手となり得る若い世代を良しとしない風潮があるからで、高齢者に莫大な賃金を払い続け、そのしわ寄せが若者に来ているのだと指摘している。

 コラムの指摘は以上のようなものだが、これは当然のごとく、金融資産の世代別の分布でも大きな差となっていることは一目瞭然。

 内閣府/野村総合研究所が発表した「高齢者の金融資産の有効活用及び社会的責任投資等への資金流入の可能性に関する調査」によると、約1500兆円の国民全金融資産のうち50歳以上が8割以上を占めている。

 デフレが進行しているのも「お年寄りが生活に困らないための国策」(全国紙記者)だと皮肉も出てくるほど。働くだけでは、現状打破はなかなか難しいのかもしれない。若い世代が、今から個人金融資産を増やすには、仕事はもちろんのこと、同時によほど効率の良い投資先を探すしかない。


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