北海ブレント原油、08年以来の100ドル台を維持

 北海ブレント原油は1月31日に、2008年以降に初めて100ドルを突破。2月1日も100ドル台で堅調に推移している。エジプト情勢の深刻化で中東からの石油供給への不安が広がっており、先進国の景気や新興国のインフレへの悪影響が懸念される。

 北海ブレントは欧州の原油取引の指標で、世界で供給される原油の3分の2の価格指標として利用されている。一方、米国の原油在庫が積み上がっていることから、ニューヨークの原油先物価格と北海ブレント価格との価格差が、過去最大の水準にまで拡大した。

 懸念されるのは、タンカー輸送の要衝であるスエズ運河への影響。日量100万バレル以上の石油が通過するスエズ運河が通行不能になれば、湾岸産油国からの供給が途絶する恐れがある。また、エジプトやチュニジアで起きた政治的混乱が、湾岸産油国全体に広がることも懸念される。

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