石油王ゲティの孫が死去、世紀の誘拐劇の被害者

 米石油王でゲティ財団の設立者である故ジョン・ポール・ゲティ(John Paul Getty)氏の孫、ジョン・ポール・ゲティ3世が死去したことが8日、明らかになった。54歳だった。

 ジョン・ポール・ゲティ3世の息子バルサザール氏が発表した声明によると、同氏は2月5日、英バッキンガムシャーの家で家族に看取られて亡くなったという。

 ジョン・ポール・ゲティ3世は、1973年7月にイタリアで発生した誘拐事件の被害者として知られている。当時16歳だった同氏はローマで誘拐され、地元新聞社に、犯人によって切り取られた彼の耳と一束の髪の毛が、身代金1700万ドルの要求とともに送付された。

 しかし、祖父であるジョン・ポール・ゲティ氏は犯人の要求を無視し続け、結局、誘拐から5ヵ月後に280万ドルの身代金を支払うことで、同氏は犯人から解放された。ジョン・ポール・ゲティ氏には孫が他に14人もいたため、「もし1ペニーでも支払えば、14人の他の孫も誘拐される」と身代金の支払いを拒否したことは有名。

 ジョン・ポール・ゲティ3世はこの事件のストレスによって精神を病み、麻薬常習者になっていた。

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