ツイッターがなぜ買収の標的になるのか


ツイッター創業者エヴァン・ウィリアムズ氏
 インターネット検索世界最大手グーグル、世界最大のSNSフェースブックが、ツイッターを買収対象に過去に協議を持っていたことが明らかになったばかり。なぜ、ツイッターがこんなにも人気のある買収ターゲットたり得るのだろうか。

 まず、ツイッターとは2006年にエヴァン・ウィリアムズ氏らによって設立されたミニブログサービス。

 昨年12月に、ベンチャーキャピタルから2億ドルの資金調達を受けており、その際の企業価値は37億ドルと見積もられている。1億8000万人のユーザー、一日あたり1億ツイートがある。2011年は、1億5000万ドルの売上高が見込まれている(イーマーケター調べ)。

 だが、現在は事業を拡大するために、実際には雇用やデータサーバーなどの拡充で赤字の模様だ。ただ、広告が増えているということもあり、同調査によると、翌2012年の売上高は2億5000万ドルに達すると見られている。

 ソーシャルメディア全体の市場は2010年は約20億ドルで、2011年の全体への広告は総額で30億ドルと見られているために、伸びは30%以上になる。

 現時点でのSNS広告においては、ツイッターはシェア10%を握っていないことになるが、先日、レッドブル、ベストバイ、スターバックス、ヴァージンなどの超優良広告主と契約をすましたことを発表している。急速な拡大が期待されており、フェースブックとしては競合を早く抱き込んで、シェアを独占したいとの思いがあるのは当然だろう。

 今年、来年はSNSのIPO(株式新規上場)ブームと言われる。すでにリンクドインが上場を申請し、1億7500万ドルを調達する見込みだ。フェースブックも来年と言われている。だが、ツイッターはすぐにIPOすることは考えておらず、やはりチャンスは今のうちなのだ。

 グーグルはソーシャルメディア事業は完全に立ち遅れで、マイクロソフト、ヤフーなど競合に取られる前にあわよくば、との思いがあったのかもしれない。

 今年、来年はソーシャルメディアがより一層注目されるのは間違いなく、こうした買収話が数多く出てくるかもしれない。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる