アナリストの経常利益予想が上方修正されるほど、株価は遅れて上昇する傾向がみられる。また、個別銘柄でみても、アナリスト業績予想が上方修正された銘柄は、そのタイミングまでは読み切れないが、いずれかの時点で上昇する可能性が高い。予想が上方修正されたTOP10 銘柄をリスト化した。
みずほ証券リサーチ&コンサルティングのクオンツ・アナリスト榮田育子氏は、アイフィスジャパンの提供する「IFIS Consensus」を使用して、アナリストによる予想経常利益コンセンサス(平均値)の上方修正について調査した。
経常利益の今期予想コンセンサスが上方修正された上位10銘柄と変化率は以下の通り(2月4日時点と2月10日時点を比較して、変化率が大きかった銘柄)。
1)6997 日本ケミコン(39.3%)
2)5233 太平洋セメント(35.8%)
3)6361 荏原(27.6%)
4)2433 博報堂DYホールディングス(24.1%)
5)7943 ニチハ (22.7%)
6)6996 ニチコン (19.1%)
7)7203 トヨタ自動車 (17.3%)
8)7013 IHI(16.6%)
9)7312 タカタ(16.1%)
10)5110 住友ゴム工業(12.8%)
なお、アナリストの業績予想の修正から相場全体の動向を読み取る指標は、「リビジョン・インデックス(R.I)」と呼ばれる。アナリストの予想が上方修正された企業数と下方修正された企業数の差を取り、全体の企業数に対する比率をとったもの。
プラスが大きければ全体として上方修正の勢いが高まっていることを示し、逆にマイナスが大きければ、全体として下方修正の勢いが高まっていることを示す。今期のR.Iは2月4日時点の16.4%から、2月10日現在で18.8%に上昇した。