GSによるフェイスブックへの出資を巡って議論

 今や何かと注目を集める存在となった、時代の寵児「フェイスブック」。投資家が関心を持たないはずはなく、年初にはゴールドマン・サックス(GS)がロシアの投資家とともに、5億ドルを出資することを決めたと報じられた。これが米国内では資金調達のあり方に一石を投じている。

 野村資本市場研究所の関雄太主任研究員は、この報道に関して「第一の注目点は、フェイスブックの企業価値が500億ドルと評価されたことだ。ソーシャルメディア関連のベンチャー企業の急成長が、金融市場からも大きな注目を集めつつある証左だ」と語る。

 また、報道によれば、GSは4.5億ドルを出資するほか、フェイスブックの未公開株式に投資する特別目的ビークルを創設し、GSの富裕層顧客から最大15億ドル相当を調達することにも合意した。

 「第二の注目点は、GSが自己資金を投じながら、同時に資金調達の仲介も行ったこと。投資銀行のビジネスモデルという観点から積極的に評価する声がある一方、規制との関係や利益相反の可能性などの観点から懸念を表明する動きもあるなど、さまざまな議論を呼び起こしている」(関氏)。

 フェイスブックの今後の資本政策が注目されると同時に、公開企業に対する規制や投資銀行の位置づけなど、今回、GSやフェイスブックの取り組みが提起した問題に関する議論の行方が注目される。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる