百貨店の反転攻勢、販売額が回復傾向を維持

 長らく長期停滞から抜け出せない百貨店だが、1月の百貨店売上高(全国)は前年比マイナス1.1%と、前月からマイナス幅が縮小した。2009年の前年比10%以上のマイナスからは大幅に改善。前年より土曜日が一日減少しているなどの下押し要因もある中での改善で、百貨店販売は持ち直し傾向を維持していると考えられる。

 第一生命経済研究所の岩田陽之助エコノミストは「背景にあるのは、消費マインドの持ち直し。年初の初売りやクリアランスセールが好調で、福袋が完売するケースも多く見られたようだ」と指摘する。

 百貨店協会からはその他に、1)「改装や増床を終えた店舗が業績を伸ばしていること」、2)「家庭生活の充実を図る意識の高まりから食器や台所用品が好調を維持していること」、3)外国人売上も2ヵ月連続で増加していること、などのプラス要素も報告されている。

 「これまでは支出が及ばなかった品目も購入を検討するようになってきており、消費者の態度は前向きなものへ変化しつつある。背景として、株価の上昇傾向や円高進行の一服、雇用・所得環境の持ち直しなどが考えられる。客単価も改善の兆しが見られ始めており、今後は時期的にマザーニーズ(謝恩会、入学式用に母親の洋服需要が高まること)やフレッシャーズなどの需要回復が期待される」(岩田氏)。

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