グリーンスパン氏とポールソン氏の絶妙すぎる対談

 アラン・グリーンスパン前FRB議長と、ヘッジファンド界の帝王ジョン・ポールソン氏が、米NY大学のビジネススクールでこのたび対談した。住宅ローンを振興し住宅バブルを作り出した張本人と言われるグリーンスパン氏と、そのバブル崩壊で巨万の富を得たポールソン氏という、これ以上ない興味深い組み合わせの実現。一体、どんな会話になったのか。

 グリーンスパン氏、ポールソン氏は年代は違うものの実はともにNY大学の金融学部で学んだ先輩と後輩という間柄。金融界に多彩な人材を輩出した実績を持つ同大学だけに、こんな不思議な対談も実現できた。

 米紙ニューヨークタイムズによると、その対談は18日に、同大学で行われた。全体的には、後輩ポールソン氏が、大先輩にインタビューするという形式で進行。終始ペースを握っていたようだが、あらかたの内容は次のようなものだった。

 ◆グリーンスパン氏がパームスプリングで休暇を取りマリオットホテルに宿泊したことを明かした。

 すると、ポールソン氏は「私たちはパームスプリングで、破綻したホテル8戸買いましたよ、その一つがパームスプリングのLa Quintaです。あなたもパームスプリングに行った際には、La Quintaにぜひお越しください。少しだけサービスさせていただきますよ」とジョークでこたえた。破綻の原因の一つは、まるでグリーンスパン氏の政策のおかげだと言わんばかり。

 ◆グリーンスパン氏は歴代大統領の知性をほめたたえていったが、なぜかジョージ・ブッシュ氏が抜けていた。後輩はそこを見逃さなかった。

 「ジョージ・ブッシュ氏は?」と突っ込んだのだ。

 グリーンスパン氏は過去に、著書の中でブッシュ氏のことを、長期政策展望のなさ、政策決定権をホワイトハウスに握られてしまったことなどを批判していたことがある。後輩に嫌なところを突かれた格好だが、先輩らしく「彼は素晴らしい人物」と、うろたえることなく答えたそうだ。


ジョン・ポールソン氏(著書 「史上最大のボロ儲け」より)

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