大阪都構想「大阪府知事Vs.大阪市長」が加熱

大阪市に影響が大きい「大阪都構想」


大阪市役所の庁舎
 大阪府知事と大阪市長の対立が、激烈になってきた。4月の統一地方選で、府議、大阪市議、堺市議の各選挙が実施され、橋下徹知事が率いる地域政党「大阪維新の会」が、3選挙での過半数獲得を目指し、「大阪都」の実現を訴えているからだ。都構想は、大阪市の解体を意味するだけに、平松邦夫・大阪市長に面白いわけがない。「今回の選挙は、大阪の行政史を変えるかもしれず、『大阪春の陣』だ」(関西財界関係者)ともいわれている。

 橋下知事がいう大阪都構想は、府と市の二重行政を整理し、迅速な行政を実現するのがねらい。「大阪・堺両市を解体し、広域行政を担う都と住民サービスを提供する特別区に再編するものだが、影響が大きいのは大阪市だ」(大手新聞の行政担当記者)

 だから、大阪市の平松市長は、統一地方選が近づくにつれ、知事の構想を強く非難。22日の市議会では「権限と財源を都に集中させ、特別区を下部機関とすることが目的としか言いようがない」と断じた。
 
 橋下知事は平松市長に対し、選挙前に意見交換会をしたいと呼びかけているが、市長は応じていない。その理由について平松市長は「大阪市さえ分割すればいいという政治グループの代表と、大阪市長がひざを交えて話し合う必要はない」と怒りを込めて説明した。

1 2
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる