2020年、世界の贅沢品の半分が中国人に消費される!?

 日本の百貨店のブランド品売り場で、中国人観光客が腕時計やバッグなどを買い求める姿はもはや珍しいものではなくなった。現在、中国では、ルイ・ヴィトンなどのブランド品を購入する人が急速に増えているが、2020年には世界の約半分の贅沢品が中国人によって消費されるという予測が発表された。

 これは香港に本部を置く里昂証券(CLSA)による調査で、2020年には中国の贅沢品購入価格はアメリカを抜いて1700億ユーロ(約19兆円)に達する見込みで、世界全体の44%を占める。既に世界中の高級品販売者が中国国内に店舗を広げていて、例えばルイ・ヴィトン最大の市場は中国だ。

 中国、贅沢品市場の特徴の一つは、男性が主な購入者となっていること。彼らは腕時計や革製品などを好み、友人やビジネス上のパートナーへの贈り物として利用するケースが多いという。

 また、世界の贅沢品市場の主体となっているのは40歳から60歳の人たちだが、中国市場における年齢層は25歳から45歳と若い人たちが中心だ。一人っ子政策で育った中国の若者は、幼い頃から最も良いものを与えられてきたため、大人になっても、さらに自分たちの地位を表明できるブランドを求める傾向にある。

 1985年生まれの浙江省出身の女性は、今年の春香港の修士を卒業したばかり。香港の大学に通っている期間に、多くのブランドバックやアクセサリー、化粧品を購入したという。一部は自分用で一部はプレゼント用。総額は約8万香港ドル(約84万円)に上る。「ブランド品は確かに高いですが、みな“安かろう、悪かろう”という法則は知っているので、高くても仕方がないと思っています」と話す。少なくとも香港から実家にブランド品を送ることは面子を保つことになるのだそうだ。

 中国の贅沢品市場が急成長している背景には、面子を重んじるお国柄も関係しているようだ。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる