ディオール、ガリアーノ氏を解雇

 仏高級ブランド、クリスチャン・ディオールは3月1日、チーフデザイナーのジョン・ガリアーノ氏(50)の解雇を発表した。人種差別的な発言をし、暴行も働いたなどとして一時身柄を拘束されていた。天才デザイナーの解雇で、パリコレクション、ウエディングドレスを提供するケイト・モスさん、さらには英王室の挙式などに与える多方面への影響が懸念される。

 ガリアーノ氏は2月下旬に、パリ市内のカフェでカップルに対して人種差別的な発言をし、暴行も振るったとして警察に一時身柄を拘束された。そして同28日にはパリ警察署に出頭し、事情を聴かれていた。ディオールは、停職処分を言い渡していたが、事の重大さを受け止めて解雇を発表した。

 そこで、懸念されるのが4日に出展予定のパリコレ。キーマンがいない中で強行して行うのか、あるいは出展を見合わせるのか、まだ決定していない。また自身のブランドであるジョン・ガリアーノも出展を予定しており、こちらの対応も未定。

 7月に予定される親友でスーパーモデルのケイト・モスさんが挙式で着用するウエディングドレスは、ガリアーノ氏がデザインすることに決定していたが、こちらも微妙になってくる。

 さらには、クリスチャン・ディオールと言えば、パリのオートクチュール界の頂点に君臨し、各国王室のロイヤルウエディングにも衣装を提供してきた由緒あるブランド。ウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの挙式では、ケイトさんの衣装を手がけるのでは、との噂もあり、こちらも今後が注目される。

 ディオールは、イヴ・サンローラン、ジャンフランコ・フェレら大物デザイナーが起用されてきた。ガリアーノ氏はその流れを受けて1996年から同社デザイナーに抜てきされた。ファンタジスタの異名を取るデザインとショーの演出は、常に注目を集めていた。


ジョン・ガリアーノ氏

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