ヘッジファンド界の帝王ジョン・ポールソン氏率いる「ポールソン&カンパニー」が、香港に進出することが3日、わかった。香港証券先物委員会に「ポールソン・アジア(Paulson Asia Limited)」として届け出を行い、このたび取引免許を取得した。
香港の証券先物委員会の書類によると、免許には9種類あるが、ポールソン・アジアが取得した種類は「免許1」。株式、債権、ファンドなどに投資ができることになる。
リーマンショック時には大きな打撃を受けたために、香港などから多くのヘッジファンドがアジアから離れた。日本からも大手のシタデル・インベストメントが事務所を閉鎖している。
ただし、その後はD.E.ショー&カンパニーが東京や上海への事務所開設を検討するなど新たな思惑も出てきているが、ポールソンが進出したことで、今後は具体的な進出に向けて一流ヘッジファンドが動き出す可能性もある。
ポールソン氏はサブプライムローン関連の空売りだけで1兆円以上の収益をあげたとされ、昨年は58億ドル(約4800億円)のリターンを得て、総運用資産額は322億ドル(約2兆6000億円)となっている。
ジョン・ポールソン氏