大阪府、今春から進学校10校でグローバルリーダー養成

 大阪府が、北野や天王寺など、大学進学実績上位の府立高校を対象に進めていた「進学指導特色校」事業、通称「グローバル・リーダーズ・ハイスクール」の専門学科に、今年4月より第1期生が入学する。グローバルリーダー育成を目的とした専門学科と、従来の普通科が併存することになるが、これは今後の進学実績にどの程度影響を及ぼすのだろうか。

 「進学指導特色校」とは、大阪府が2009年より着手した、進学実績の良い公立高校の普通科10校に、専門学科の「文理学科」を併置する事業。生徒の学習ニーズの多様化に伴い、公立高校の特色づくりの一環として実施するもので、グローバルリーダーの育成と難関大学入学を目的としている。

 対象校10校は、北野、豊中、茨木、大手前、四條畷、高津、天王寺、生野、三国丘高校、岸和田。文理学科の生徒募集は一括で行われ、各校で適切な時期に文・理へ分かれる。

 進学指導特色校については、一部の公立高校を特別扱いすることになるとして、教育関係者から反発もあったという。その一方で、すでに十分進学実績が優れている同10校に新たに文理学科を設置することに、意味があるのかと疑問視する声もある。

 例えば、天王寺は17年前からすでに普通科と理数科を併置しており、今回、その理数科が文理学科へと移行する。同校は、文理学科において「進学実績のみならず、授業・行事・部活動をより充実させることによって、世界をリードする人材育成においても『日本一』の公立高校をめざす」としているが、従来の理数科とどこまで差が出るのかは不明だ。

 とは言え、今回の文理学科設置により、トップクラスの受験生の選択肢として注目を集めることには成功した。2月に実施された前期入試における10校の平均受験倍率は、約3倍という高倍率だったという。4月から同学科に入学する生徒たちには、日本の有名大学進学に止まらず、ぜひ世界で通用する国際感覚と学力を身に付けるべく奮闘してもらいたい。

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