「更新料訴訟」3件の行方

 賃貸不動産の更新料の徴収をめぐる更新料訴訟の3件で、最高裁第二小法廷は6月に弁論を開くことに決めた。消費者契約法に照らして消費者にとって一方的な不利という論調が出てきている昨今。不動産オーナーの今後を左右するだけに注目が集まるが、司法がその重要性を認めているという証拠でもある。

1、京都地裁(有効)⇒大阪高裁(無効)
2、大津地裁(有効)⇒大阪高裁(有効)
3、京都地裁(無効)⇒大阪高裁(無効)

 1の2009年8月の大阪高裁判決は、不動産投資家にとっては大きなインパクトを与えた。つまり、更新料が無効と判断されたからだ。3も同様に借主に一方的な不利だとの判断がなされた。

 しかし、2の09年10月の判決では、借主が一方的な不利ではないとして「有効」とされた。その3件が最高裁に上告されているのだ。これまでは借主側の2勝1敗。貸主である投資家にとっては気が気ではない。

 この大阪高裁判決は3件とも別の裁判長が審理し判決を出したもの。判断が別れる難しい裁判だけに、最高裁は統一した判断を下す必要性がある。

 不動産投資家の間でも、「無効は認められない」とする人、一方で「経営努力が足りない不動産投資家が困るだけ」とする人、色々と意見が別れている。

 投資家は最高裁の判断の行方に注目している。

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