大阪百貨店戦争スタート、割りを食う郊外アウトレット

梅田の百貨店景気も長く続くかどうか?


高島屋大阪店の地下入り口
 2010年7月にも、三井アウトレットパーク滋賀竜王(滋賀県竜王町)がオープンしたばかりだが、三重県を含めた近畿経済圏にはアウトレット街が8カ所もあり、全国的にも密集地といわれている。

 「ブランド品が安いというだけで人を呼べる時代は終わった」(アウトレットに出店している関係者)という。「消費者は節約に疲れたこともあって、数は買わないけれど、値の張るものをひとつだけ―という一点豪華主義の意識が高くなり、遠くのアウトレットに出かけて数を買うよりも、都心の百貨店で今シーズンのものを買いたいと思うようになっている」(百貨店関係者)ともみられる。

 瞬間的には都心の百貨店に追い風が吹いているようだが、長く続くと見る向きは、意外にすくない。

 というのも、都心百貨店の増床計画は、三越の新規出店が明らかになった2000年代に打ち出された計画が多く、増床直後の目新しさがおさまると、集客が続くかどうかはわからない。「大阪市内は、明らかにオーバーストア。消耗戦になる」(百貨店関係者)という声は少なくない。

 それでも5月の連休には、大阪市内の百貨店には、大いに人が集まることは間違いない。

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