東日本大震災で地球軸17センチ動き、1日が24時間でなくなる

 米NASAジェット推進研究所(JPL)の発表によると、11日に発生したマグニチュード9.0の東日本大震災の影響で、地球の形状軸が17センチ動き、1日の時間が1.8マイクロ秒短くなったことがわかった。ナショナルジオグラフィックなどが報じた。

 形状軸とは、地球の南北を結ぶ自転軸から10メートルずれた場所にある軸のことで、自転軸が形状軸のまわりを回転している。JPLの地球物理学者リチャード・グロス博士の計算によると、今回の地震で形状軸は17センチ移動し、1日は1.8マイクロ秒短くなった。1マイクロ秒は100万分の1秒のため日常生活に影響はないが、この数字はグロス氏が計測した中では最大で、また地球の自転速度も変わったという。

 NASAによると、2004年のマグニチュード9.1のスマトラ沖地震では、形状軸は7センチ移動し、1日の時間は6.8マイクロ秒短縮した。また昨年のマグニチュード8.8のチリ地震では、形状軸は8センチ移動し、1日は1.26マイクロ秒短縮したと見積もられている。

 今回の地震では、形状軸がスマトラ沖・チリ両地震の2倍以上の大きさで動いていることが研究者に注目されている。グロス氏は「これは、(軸の傾きを計算ではなく)実際に計測することが可能な唯一の地震です。他の地震では(軸の移動が)小さすぎるため、実測することは不可能です」と語っている。

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