空爆が続くリビアで、追い詰められているカダフィ大佐だが、開戦前の準備として、米ホワイトハウスはわずか72時間で大佐の30億ドル(約2430億円)の資産凍結と、大使館員のリビア国外脱出というオペレーションをやってのけていたことが25日わかった。
ワシントンポスト紙によると、ホワイトハウスから指示が下ったのが2月23日午後。関係各所にイーメールが飛んだ。
「“excess of $29.7 Billion — yes, that’s a B.”」
これが実行のサイン。30億ドルの資産を差し押さえるという意味のようだ。2月25日までのわずか72時間までに全てを完成させるという、映画のような見事なオペレーションだ。
しかもカダフィ大佐の口座は、無記名のものなど、ハッキリしないものも多いようで、それらを素早く的確に差し押さえた上に、リビアに残る大使館職員や米国人を安全に脱出させるためにフェリーや専用機をトリポリまでチャーターするなど、お見事としか言いようがない。
約30億ドルの資金凍結には、最低でも数週間はかかると言われる。しかし、わずか72時間で完了させた。しかも極秘裏にだ。
これまで国際社会から経済制裁を受けても、ノラリクラリとかわしてきたが、今度ばかりは米国の用意周到な“ハリウッド映画並のオペレーション”には、さすがのカダフィ大佐もどうにもならなかったようだ。
カダフィ大佐