日本の大地震は、中国の自動車市場にも大きな影響を及ぼし始めた。それは、自動車そのものの輸入量の変化だけではない。中国で車を生産するための“部品”の供給がストップしてしまったのだ。しかも、日本から輸入される部品はみなエンジンや電子機器など重要な部分のものだから、その影響は大きい。
昨年、中国における日本の部品メーカーからの輸入額は、全輸入額273億ドルのうち109億ドルで、全体の3分の1以上を占めている。
現在、中国の日系合資企業は、部品の在庫があると公表していえるが、日本企業が6週間以内に復旧しなければ、3カ月後には中国消費者の需要を満たすことができなくなると見られている。
IHS(グローバルインサイト・インク)の調査によると、震災の影響による自動車部品の供給不足で、全世界で自動車生産能力が30%低下するとされる。現在すでに13%縮小していて、自動車生産量は約32万台削減されている。
日系企業の自動車生産能力の低下により、恩恵を受けるのは韓国の現代自動車やドイツのフォルクスワーゲンだろう。これらの企業は、3月や4月に新作の発表も控えており、日系の企業にさらに圧力を加えている。
中国の関係者の間では、「部品メーカーは主要部品についても中国での生産化を促進する可能性がある」との見方が広がっている。