日本気象学会の新野理事長「放射性物質の影響の予測するな」

 日本気象学会の新野宏理事長(東京大学教授)が、大気中に拡散する放射性物質の影響を予測した研究成果の公表を自粛するよう通知していたことが3日わかった。国民に余計な不安を増幅させないようにとの配慮は必要ながらも、それとは一線を画す学問・研究の自由と独立性に触れるのではないか、と問題視されている。

 文書は3月18日付けで、学会ホームページに「日本気象学会会員各位」として、掲載されていた。

 「今回の地震災害の影響は、今後も長く継続していきます。復興の支援には、すべての国民と共に力を尽くしていく必要があります」とした上で、その一方では「当学会の気象学・大気科学の関係者が不確実性を伴う情報を提供、あるいは不用意に一般に伝わりかねない手段で交換することは、徒に国の防災対策に関する情報等を混乱させることになりかねません」とも危惧を抱いている。

 そして「防災対策の基本は、信頼できる単一の情報を提供し、その情報に基づいて行動することです。会員の皆様はこの点を念頭において適切に対応されるようにお願いしたいと思います」と要請している。

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