副業に没頭することで憂さを晴らす
――仕事の時間外に副業を始めたんですね。
仕事の時間は完全に割り切って、お金のためだけ、あそこでは本当の自分はいないと否定する時間にして、18時の定時にいかに早く帰るかと決めて、18時以降は自分の趣味の活動に没頭することで生きるモチベーションを保つことにしました。
イベントで集客するとしても、友人を呼んでいるレベルでは当然成り立ちません。知り合いでは人数も限りがあるし、飽きられます。では、全く知らない人をイベントに呼ぶにはどうするか。まず告知をしなければいけません。でも街中でむやみやたらにチラシを配っても全然お客さんは来ない。不特定多数だと興味がない人にも配ってしまいますからね。どこでチラシを配ろうかと考えたとき、やっぱり音
楽ショップのタワーレコード(以下TR)と、ライブハウスがいいんじゃないかと。
ライブハウスはOKでしたが、アポなしの飛び込みでTRに行き「これ配りたいんですけど」と言うと、当然断られました。でもどうしても配りたい。懲りずに3カ月ぐらい通っていると、たまたま違う担当者が許可してくれました。結果的にイベントのお客さんも少しとはいえ増えてきた。知り合い以外が一人、二人と増えるにつれて、配る場所が良ければお客さんは増えると実感しました。それで徹底的にTRを攻略しようと思ったんです。
でもTRにすれば、僕のイベントのチラシを配らせることに、何のメリットもない。何とかして関係性を築かなくちゃいけないと考えました。僕はクラブイベントでDJをしていたことがあるので、すごくマニアックな小さなレコード会社から新作のCDRが届くんです。その中に、誰も知らないようなアーティストのものなんですが、すごくいいものがあって、クラブでかけてもヒットしていました。
TRでも扱っていなかったので、これを紹介したら喜ばれるかもしれないと、TRの人にCDを聞かせたところ、反応がよくて「これは取れるんですか」と聞かれた。TRは店舗で受注できるシステムなんですよ。調べたらそのレコード会社は扱えるとわかりTRで販売できることになりました。