オーストラリアの住宅市場は、ネズミ講(Ponzi Schemes)のようなものだ。こうしたリポートを発表し持論を展開したのは、ウエスタンシドニー大学のスティーブ・キーン准教授。米国のサブプライムショックを引き合いに出して、次のように説明する。
「債務ばかりを成長させていくと、ネズミ講のスキームは崩れて、住宅市場は崩壊し、また銀行も大きな打撃を受けます」
キーン氏は、いくつかの要素を挙げているが、最もわかりやすい例として、金融機関の資産に占める不動産ローンの割合がある。
米国では2007年に35%に達し、その直後に、サブプライムショックが起こっている。オーストラリアはそれ以前から35%を超える高い水準にあり、金融危機で30%まで下がったものの、現在は40%近い水準にまで戻っている。
世界同時不況下においてもいち早く立ち直ったオーストラリア経済だが、過熱気味であることをうかがわせる。
今から、住宅市場に参戦すると、ネズミ講論理でやられてしまうということを警告している。
銀行の資産に占める住宅ローンの割合