放射線対策として注目される「レスベラトロール」

レスベラトロールとは

今、レスベラトロールという物質に注目が集まっている。
レスベラトロールは、植物の色素や苦みの成分であるポリフェノールの一種であ
り、特に抗酸化力にすぐれ、さまざまな病気の原因の一つと言われる活性酸素を
抑制するはたらきがある。レスベラトロールは、近年、学術的にさまざまな研究
成果や論文が発表されており、医学界でも話題を呼んでいる。なかでも特筆すべ
き点が、長寿遺伝子を活性化させるアンチエイジング効果である。2006年に、英
国科学誌ネイチャーにマウス実験による寿命延長の効果が発表されると、米国で
は一気にレスベラトロールブームが巻き起こった。



そのレスベラトロールは、米国では放射線を浴びたときに有効と発表され話題に
なったこともある。
(※マウスや線虫を使った実験結果による論文が複数発表されている段階。)

新型レスベラトロールの登場?

米国ではポピュラーな健康食品の素材として人気が定着してきたレスベラトロー
ルだが、日本国内ではまだまだ一般に普及していないというのが現状だ。特定の
植物由来のレスベラトロールが国内で健康食品として販売できないという法律上
の問題があり、どうしてもコストが高くなることと、レスベラトロール単体では
吸収されにくいことが一般に指摘されてきた。

この点に関して、健康食品業界に詳しい長浜バイオ大学インキュベーションセンター
入居企業である株式会社フィジカルの永尾司氏は「発芽させたブドウの種子から抽出
されるレスベラトロールを含む重合ポリフェノールの配糖体が2007年に開発され、比較
的安価で大量に製造することに成功しています。これは吸収性の高さが注目され、水溶性レスベラトロールと呼ばれますが、まだまだ一般の人には知れ渡っていないためか、急激に増えている問い合わせの多くが医師や研究者からのものです。実際には、水溶性
レスベラトロールをサプリメントとして飲用している医師も多くいます」と話す。
日本のバイオ技術の成果の一つだ。


レスベラトロールは新たなブームになるのか

例えばコラーゲン、カテキン、コエンザイムQ10などがそうであったように、健
康食品素材には流行のパターンがある。まず学術的な発表があって、マスコミが
取り上げ、次々と商品化されていく。近年ではテレビの通販番組がきっかけとな
り認知度が一気に上がることもある。多くの可能性を持つレスベラトロールも同
様にブームとなるのだろうか。
永尾氏は「その可能性は十分にあります。レスベラトロールについては、放射線
対策として急激に関心が高まる以前から、業界内ではブームの兆しがありました。
これから多くの商品が店頭に並んでいくでしょうし、人気は定着すると考えていま
す」と話す。様々な健康上の悩みを持つ現代人。今後のレスベラトロールにも注目し
たい。

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