東日本大震災の「関西特需」は一瞬だけ

 東日本大震災後の電力不足懸念から、関西へ拠点を移す外資の動きがあり、関西経済へのプラス効果を期待する声も出ている。だが、「日本から行ってきたアジアオペレーションは、香港やシンガポールへ移す動きも強く、長く考えたら、関西にもマイナス効果しか残らないのではないか」(関西財界関係者)とも。16年前の阪神大震災では、神戸港の国際貨物の積み替え機能が、関東ではなく、韓国・釜山に移ったことを思い出させる。

レンタルオフィスは繁盛かに見えたが…


日本リージャスのレンタルオフィスがある 大阪国際ビル=大阪市中央区
 大阪では東日本大震災後、短期契約の「レンタルオフィス」の需要が急増した。インターネット環境を含めた通信設備が整っており、家具、共有の会議室なども必要に応じて借りられる。東京での機能を、関西に移す必要に迫られた小規模企業が、レンタルオフィスに入居したとみられた。

 大阪市内で3カ所のレンタルオフィスを展開するサーブコープジャパン(東京・新宿)も、その恩恵をうけた。10人程度まで使える事務スペースを、3カ所に数十単位で持っている。震災前は7割を切る稼働率だった拠点もあったが、震災後は空きがなくなったという。

 日本リージャス(同)も、大阪市内に2カ所のレンタルオフィスを展開。需要増に対応するため、震災前には会議室にしていたスペースを事務所に切り替えるなどして対応、貸し出し面積を増やした。

1 2
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる