海外にもたくさんある富裕層限定コミュニティー
純金融資産1億円以上の人のみが入会できる、日本最大級のプライベートクラブ「YUCASEE(ゆかし)」。日本では数少ないネット上の富裕層向け会員制クラブです。会員の純金融資産総額は6395億円にも上ります。入会審査は段階を追って厳しく行われるため、他の富裕層向けサービスには登録できた人も、ゆかしには落ちてしまうということもあるとか。しかし会員の100%が1億円以上を持つ本物の富裕層というクオリティが安心感を生み出し、内部では非常に密で活発なコミュニケーションが行われていると言います。
またゆかしの大きな特徴は、30代・40代の富裕層が7割近くを占めていること。日本で富裕層と言えば60・70代というイメージが強いですが、若い「新世代富裕層」の人々が多数入会しているのです。
一方海外でも、このようなセレブリティ限定のコミュニティーや、富裕層SNSがいくつも展開されているのはご存知でしょうか? 主要な海外の富裕層SNSの特徴と違いを調査してみました。
ドナルド・トランプ氏も会員!? 最大規模の「a Small World」
2004年3月にスタートしたセレブリティ限定のSNS「a Small World」。世界で最も有名で、最も会員数が多い富裕層SNSです。それまでインターネット上のSNSはすべての人に開かれている場でしたが、会員を少数の富裕層のみに絞ったこと、一般人は入れない閉ざされた空間にしたことで注目されました。入会するには会員の推薦が必要です。
このSNSの創業者は、スウェーデン人の銀行家エリック・バッハトマイスター氏。自らも富裕層であるバッハトマイスター氏は、同じような趣味や願望を持つ富裕層の人々が自由に情報交換できるコミュニティーの必要性を感じ、それをネット上で実現しました。米「Business Week」誌によると、会員の職種はファッション業界から芸能界、金融業界までさまざま。滅多にログインはないものの、ロックフェラーの一族やドナルド・トランプ氏などの著名人も名を連ねていると言います。
サイト内部ではメッセージなどのやりとりはもちろん、会員同士が物の売買をすることもできます。クルーザーやプライベートジェットなど、一般メディアに出してもなかなか買い手がつかないような高額商品も、このSNS上では頻繁に取引されています。またネット上だけでなく、オフ会的なパーティーも開催され、会員は現実世界でも人脈を広げることができます。
セレブリティ限定の空間を創出したことで好評を得ていた「a Small World」ですが、近年会員数の増加に伴い、会員からのクレームも増加傾向にあるといいます。その原因は、会員の質の低下。「a Small World」は会員の質は維持しているとコメントしていますが、旧来の会員と新会員の間でトラブルが増えているのが実態です。サービスの質を落とさずに、いかに会員を増やしていくのかが、今後の課題だと言えます。