米誌フォーブス(中国版)は、2011年版の中国長者版付けを発表した。トップにはインターネット検索国内最大手・百度(バイドゥ)の李彦宏CEO(ロビン・リー)が資産94億米ドル(約7700億円)で前年の2位から浮上した。李CEOの資産は前年に比べて3割増加。背景には、米グーグルの中国市場撤退によるシェアの拡大がある。
アップルのS・ジョブズ氏のような人物?
李彦宏(ロビン・リー)氏
よく知る人物は、米アップル社の共同設立者の一人スティーブ・ジョブズ氏のような存在だと表現する。IT技術の天才であり、著名な“独裁経営者”でもある。百度の中で、李CEOは疑うべくもない神のような存在で、会社の重要な戦略はすべて彼が決めているという。
李CEOは1968年11月に中国・山西省陽泉市に生まれた。5人兄弟の4番目で、唯一の男の子だった。祖父から父親、そして姉妹にいたるまで、家族全員が彼を“大切な存在”として扱ったという。姉の李秀華(り しゅうか)さんは幼い時のエピソードをこう語る。
「家ではおいしいものはすべて先に彼が食べました。その残りを他の人がもらいます。また、りんごを食べるときもルールがあり、彼が中の実を食べ、他の人は皮を食べていました」と驚くような話だが、李秀華さんは「私たち姉妹は誰も不満に思わず、当然のことと考えていました」という。李CEO自身もそれが当たり前と思っていたのかもしれない。