今年に入ってから約2倍の上昇を見せていた銀先物市場だが、5月に入って急落し始めた。利益確定売りとの見方もできるが、その陰では、大物コモディティ投資家が売りを仕掛けていたのだ。
売っていたのは、カナダの大手ヘッジファンド「スプロット・アセット・マネジメント」創業者エリック・スプロット氏。米証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、銀ETF「PSLV(Sprott Physical Silver Trust)」を、4月15と28の両日に分けて合計3500万ドル分(約28億円)売却していた。
スプロット氏は昨年、銀先物については1オンス=50ドルという予測を公言していた。その予測どおりに4月の終わりに50ドルに達してしまい、天井だと読んだということなのか? コモディティ投資では影響力のある投資家のため、今後は追随した売りも出てくる可能性がある。
現在は1オンス=38ドル台まで急落している。
一方で、金先物については1オンス=2000ドルに達するという超強気の見方を示している。こちらは、まだその水準まで上がりきっていない。
銀先物チャート(NY商業取引所)