名古屋の有名宝石店「美宝堂」倒産!2代目が暴走

 創業家親子3代で出演するCMで有名だった宝石販売の「美宝堂」(名古屋市)が、資金繰りの悪化から2度目の不渡りを出して、倒産した。消費者の変化についていけず、2代目の“暴走”が始まったことで、なるべくしてなった倒産劇だったようだ。

 中日新聞によると、5月2日に2回目の不渡りを出して金融機関から取引停止となった。負債総額は22億円。売上も2007年には11億円あったが、10年には7億円にまで落ち込んでいた。

 同社は1950年に創業し、親子3代でCMに出演し名古屋では有名だった。しかし、2代目で専務が多額の現金を集めて返済が滞ったことが発覚し、3月からは店舗を閉鎖していたという。

 2006年ごろからは専務がメーンでCMにも出るようになるなど、ほぼワンマンな体制をうかがわせた。資金繰りに困りロータリークラブの知人たちから、ダイヤモンドに絡んだ話で現金を集めていたというが返済ができなくなっていた。

 また、3代目は10年に美宝堂に入社。ネイルサロンなどの事業も展開しているそうだ。

 専務は会社HPに「すこしでも贅沢をすることは悪であるとする風潮は、マスコミを含め今の日本に蔓延する間違った感覚ではないだろうか」と正論を述べている。

 ここまでは良いのだが「私どもで贅沢な宝石を買うお客様の中には、生活苦の中を一生懸命ためたお金で自分へのご褒美や娘・孫へのプレゼントとしてお求めになる方も決して少なくない。これが悪いことと言われてはたまらない」としている。

 世の空気を上記のように評しているが、実際にはライバルが多く、CM制作せざるを得なかったことも経営を圧迫し、また、他店との違いを打ち出せなかったことも客離れを招いた。

 近年はブランド消費よりも、財産としての宝石という点を打ち出した販売戦術に変えたというが、それも実らなかった。

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