中国人を警戒する動きも
この壺は1860年8国連軍に圓明園が焼き払われた時、イギリス軍が略奪したものとみられる。オークションに出したのはイギリス人の男性で、父母が住んでいた部屋を整理していた際に偶然見つけ出した。オークションに出したところ18世紀乾隆帝時代の作品と鑑定され、予想の36倍、中国陶磁器の中では過去最高の5300万ポンドという値がついた。
先月、壺の引き取りの締め切り日を迎えたが買い手からは何の音沙汰もなし。売り手はしびれを切らして中国に向かったが、結局手ぶらで帰ることとなった。代金“未払い”について王健林氏のスポークスマンは否定し、オークション会社も買い手については“ノーコメント”だ。
実はここ数年、今回の件以外に、ヨーロッパで中国古美術がオークションにかけられ、高値で中国人が買い取るも、代金が“未払い”という事件が多発している。2009年にも圓明園の「十二支動物像」が競売に出され、中国人収蔵家が落札したが、「代金は支払わない」と表明し物議を呼んだ。
王氏の代金未払いのうわさを聞きつけたフランスの古美術品ブローカーの間では、中国人を警戒する動きもあるという。世界のオークション市場で活躍してきた中国勢だが、ブラックリスト入りとなるかもしれない。