IMF専務理事逮捕に「陰謀説」も

 国際通貨基金(IMF)の専務理事ドミニク・ストラウスカーン容疑者が強姦の疑いでNY市警に逮捕された事件で、米NBCのジェフ・ロッセン特派員は17日、「サルコジ大統領の政敵であり、偽レイプ事件で彼を放逐しようとしているのでは」と、陰謀説の可能性を主張した。

 カーン氏は2012年の仏大統領選において有力候補で、サルコジ大統領にとってはうっとうしい存在であった。実際には仏国内の世論においては、カーン氏の人気がサルコジ氏を上回ることもあった。

 犯行現場となったNYのソフィテルホテルで、メイドに対してわいせつな要求を行ったとしており、メイドがすぐに警察に通報。ケネディ空港で出発2分前に身柄を確保するという、スピード逮捕劇となった。

 逮捕から日が立たない16日に初公判が行われ、本人が犯行を否認した。さらには、イーストリバーに浮かぶ孤島、ライカーズ島の拘置所に収容されたのだという。ここは、金網に囲まれた島で未決拘置者ら約1万数千人を抱える全米最大規模の収容先だという。

 「いかにも用意周到であり、逆に不自然でさえある」と、NBCでは指摘している。

 ただし、カーン容疑者は、部下の女性、ジャーナリストの女性との“前科”があり、疑われても仕方がない面はある。やはり、権力の座を狙いたいのであれば、身辺はいつでも身ぎれいにしておかなくてはならない。

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