中国では“2011胡润少壮派富豪ランキング”に名前のあがった40歳以下の億万長者56人のうち、約半数が欧米で教育を受けていた事が分かった。さらに5分の4が、将来子供を外国に送り、より良い教育をうけさせるつもりだと答えていた。
国際教育協会の発表によると、昨年約12万8000人の中国人がアメリカに留学しており、中国はもっとも多くの学生をアメリカに送り込んでいる国となった。アメリカの大学に通う中国人留学生は昨年比50%増加の約4万人で、2005年の4倍以上になっている。
米留学する中国人学生が急増している原因のひとつに、経済的に余裕のある人が増えて、海外留学が容易になったことが挙げられる。だが、多くの親が子供を海外で学ばせている原因は“お金”の面だけではない。
現在、中国は中等教育が盛んな時期に来ていると言えるが、国内の教育体系は長い間進歩していないのが現状だ。「国内の教育体系は脆弱で、丸暗記や点取り中心。思考力が削がれるような内容」との批判も出ている。ますます多くの中国人が教育を受けられるようになってきたが、分析力や創造的な思考を育むような訓練は行われていない。さらに、教育部門は経費が不足しており、都市部と地方での格差の問題もある。
こうした中、中国政府は教育改革を行うことを決めており、昨年は「高教育質量の10年計画」を提出し、一部の学校では多様性や独立思考を伸ばすための教育が始まった。だが、国内でのこうした取り組みはまだ始まったばかり。今後ますます多くの億万長者が子供を海外留学させると見られている。