同業者も注視する朝日新聞の電子版有料化

 日本で第2位の部数を誇り「クオリティペーパー」の代名詞的な存在でもあった朝日新聞が、電子版の有料化をこのたびスタートした。もちろん、全国紙の有料化は初となるだけに、読売、毎日、産経なども動向には注目している。

 「どこも検討はしているが、なかなか踏み切れない。無料化が当たり前になっている上に、できれば失敗したくない。本音としては他社がやってから、とは思っている」

 誰かが手を挙げるのを待っていた状態だと、全国紙の編集幹部は話す。欧米ではすでに、ニューズコーポレーションのウォール・ストリート・ジャーナルが一部有料化するなどしている。

 ただ、日本の新聞社は「インターネットか新聞か、という終わりのない議論を延々としてきた」(前出の編集幹部)という。

 だが、中身で決定的に違いのない横並びが多い全国紙で、読者がお金を払うのかどうかという懸念点は依然として解決していない。日本経済新聞の場合は、経済紙プラス一般紙という全国紙とは違うポジショニングのために有料電子版は成り立っている。

 朝日は差別化として、ニュースに動画をふんだんに盛り込んでいくという。これで差別化ができるかどうか?

 料金は、本紙読者は月間1000円を追加するだけで電子版を購読できる。電子版のみは3800円となる。

 新たな収益源を模索する新聞業界で、公称800万部の朝日新聞が有料化に踏み切ったことで、業界は今後の動向を注視している。


朝日新聞HPより

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