世界最大級のヘッジファンド「Ikos」を解雇された社員が、自身の身辺を調査するために「女スパイ」を使われたと法廷で証言していた件で、Ikosは24日反論のコメントを出した。
Ikosは「投資家の利益を守るために法律に基づいて行動したまで。しかし、報道に誤解を招くような内容があり、ここで明らかにしたいことがある」としてコメントするに至った経緯を説明した。
共同創業者のエレナ・アンブローシャドウ氏が、同じく共同創業者の夫マーティン・カウアード氏がバカンスに出ている間に解雇。また、夫のチームの人員もすべて解雇にしたことに端を発している。
まずカウアード氏は会社オーナーでもなく、株主ではないという。その上で、カウアード氏と部下は会社の技術を流用するために奪おうとしており、カウアードがまだ在籍中に、人材を募集し、ライバルのヘッジファンド会社と組んで新たなヘッジファンド会社を起こそうとしていたのだという。
エレナ氏は2007、08年のパフォーマンスが悪かったことから夫を解雇。その後は立て直して、2010年のパフォーマンスは30.5%で全ヘッジファンド中で4位だった。また、FXファンドの中では最高のパフォーマンスだった。
今回のコメントの中では、女スパイの存在については触れていないものの、不審な行動を取る夫のチームを監視する目的だったということになるのだろうか。
強い口調の文面で、夫のチームへの不信感を根強く感じさせるもので、反訴を匂わせており手続きする可能性もありそうだ。
二人三脚で創業し、わずかな資金から作り上げ、300億ドル規模の世界屈指の巨大ファンドにまで成長させてきた。しかし、袂を分かった今でも2人の間の憎悪の炎は大きくなるばかりだ。
エレナ・アンブローシャドウ氏