海水注入中断は無し、最後は東電「泥をかぶる」

 東京電力は26日、福島第一原子力発電所の海水注入を中断したとされる問題で、実際には中断していなかったと発表した。

 3月12日の夜に、1号機の原子炉に注入する真水がなくなったために海水を入れたものの、途中で首相の指示で止めたという発表から、事実は二転三転していた。最終的には東電が“泥をかぶる”形で終結させた。

 当日夜の主な時系列は以下のとおりだ。
12:00頃  社長が海水注入の準備について確認・了解
14:50頃  社長が海水注入の実施について確認・了解
14:53頃  淡水の注入停止(これまでに8万リットル注入)
15:18頃  準備が整い次第、海水注入する予定を原子力安全・保安院等へ通報
15:36頃  水素爆発
18:05頃  国から海水注入に関する指示を受ける
19:04頃  海水注入を開始
19:06頃  海水注入を開始した旨を原子力安全・保安院へ連絡
19:25頃  官邸派遣者からの状況判断として「官邸では海水注入について首相の了解が得      られていない」との連絡が本店本部、発電所にあり、本店本部、発電所で協議      の結果、いったん注入を停止することとした。しかし、発電所長の判断で海水      注入を継続。

 東電は関係者にヒアリングを行った結果、19:25頃の海水注入の停止について、発電所長
の判断によって、実際には停止せずに注水を継続していたという結論を出した。事故を収束させるために、原子炉への注水の継続が何よりも重要だと判断したという。


福島第一原子力発電所(東京電力撮影)

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