海外旅行、ゴルフ、贅沢品の数々…年々増え続ける中国の富豪たちにとって、今やこれらを楽しむことは、成功した証の一つだ。だが、「胡润富豪ランキング」を主宰する中国在住のイギリス人・ルパート・フージワーフ氏によると、昔に比べて暮らしは大きく変化したという。
ルパート氏は長期間にわたり、その商才で知られる温州商人たちの暮らしぶりを研究しているが、以前彼らはルパート氏に「我々は週末、食事をする以外の時間はカラオケにいくぐらいで、なにも消費しない」と語っていたそうだ。お金は稼いでも、派手な暮らしぶりではなかったことがうかがえる。
それでは、中国富豪の生活を一転させたのはなんだったのか? ルパート氏によるとそれは「不動産」だ。高価で立派な家が、彼らの考え方を変え、暮らしを贅沢に一転させた。単に生活方式が変わっただけでなく、財政面での影響も大きいと言える。不動産から巨額の利潤を手にして、一気に“お金持ち”に成りあがった人もいるからだ。
だが、中国で日に日に富豪が増えるにつれ、ルパート氏はもう一つの“富”についても考えるべきだと主張する。それは何かといえば“健康”だ。彼は富豪にいつまでも稼ぎ続けるのではなく、退職後を楽しむことを進めている。ルパート氏の試算によると、1億元(約12億5000万円)あればリタイア後の富豪生活を十分に満喫できるのだという。
ルパート氏は、大手会計事務所の元上海駐在員。1999年より、中国富豪番付けの作成を開始し、現在、中国では個人企業研究における“ゴットファーザー級”人物と呼ばれている。