素手でライオンと戦う男に賛否両論(エジプト)

 「いかなる環境下においても、エジプト国内では、動物に対して非人動的な行為を認めるわけにはいかない」

 これは、エジプト観光省の大臣が正式に発表した声明。実は、エジプト国内の一部には、観光を振興する目的の手段の一つとして、ピラミッドの前で素手でライオンと戦うことが計画されているのだ。計画しているのは25歳の一人の男性。

 エジプト全土を飲み込んだ革命によって、その後は主要産業の一つである観光業が落ち込んでおり、その状況を何とかしたいとの思いはあるようだ。当然、賛否両論ともある。

 以下は、エジプトの地元メディアとの一問一答。

 -いつから考えていたのか

 「13歳の時からずっと考えてきた。今は、エジプト革命の後は観光産業が落ち込んでいる。これは、わたしが考える最も良い方法の一つだ」

 -反対意見も多く出ているが

 「わたしはライオンを殺すわけでもなければ、盾と剣で武装するわけでもない。正しく理解してもらいたい」

 -あなたが殺されることはないのか

 「生きるか死ぬかとなれば、殺さざるを得なくなる」

 -あなたはライオンと戦ったことがあるのか

 「いや、ない。獰猛な犬と戦ったことが何度とある」

 -どんなトレーニングを

 「メンタルトレーニングが大事だ。実際に勝っているところを想像できるようになるまでね。戦い方はケージ(金網マッチ)のようになるだろう」

 かつて、日本では空手家の故・大山倍達氏が、牛と素手で戦い何頭も倒したことがあり、実際に映画となったこともあった。10円玉を3本の指で折り曲げるという怪力の持ち主としても知られた。

 この25歳の男性は、かなりの力の持ち主のようではあるが、ライオンを甘く見てはいけない。

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