日本財界のドン東電社長の座を降りる清水氏の今後

「寝業」は人事で行われている

 東京・内幸町の東電本社ビルのすぐそばに、銀座の高級クラブが多く立ち並ぶ。3月以降は業者による東電の接待は「見かけなくなった」(クラブオーナー)という。だが、それは表向きの話だ。

 日立製作所が、勝俣会長の実弟で丸紅会長の宣夫氏を取締役候補に選んでいるが、全国紙記者は「業界で話題となったが、東電との関係を維持していくための“寝業”としか思えない。こんなご時世で勝俣会長を迎え入れられないので、代わりに弟をというのが本音では」と話す。

 また、続けて「原発事故が起きていなければ清水社長を迎えたい企業はたくさんあったはず。ただし、現状ではそれは無理だろう」という。

 清水社長は、退任を発表した記者会見で次のように述べた。東電の社内風土で悪い点を「地域の皆さま、お客様、株主、そういったステークホルダーの方々への目線、上から目線と言いますか、マーケットインの考え方を失いがちなところがあります。まだまだ、外に向けての目線の高さをご指摘されますし、お客様志向を徹底する必要があります」とした。

 他人事のように聞こえるものの、清水氏はその反省を踏まえながら、被災者のため、国のため、行動を持って責任を取るしかない。

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