ユニクロは、著名ファッションデザイナーのジル・サンダー氏との契約終了を発表した。業界内部では、“アパレルとは見られていない”ユニクロ。そこへ著名デザイナーのサンダー氏を迎えたことはある種の衝撃があったが、あまりにも短い契約終了に、何があったのだろうか?
両者は09年にデザインに関する契約を締結。ジル氏がユニクロの「プラスジェイ」ブランドを手掛けてきたが、これにともない、販売は今年で最後となる。
ジル氏は現在は、自身が立ち上げたブランド「ジルサンダー」からは不本意ながら手を引き、活躍する場はユニクロだけだった。業界的にも、またファンとしても、このコラボレーションには注目していた。
ファーストリテイリングは「このコラボレーションによる新しい服づくりの可能性は、一旦追求しつくしたとの認識に至りました」と契約終了の理由を説明している。
追求したというよりも、これ以上は追求できないと言う方が正直なところかもしれない。
ジル氏は、高品質な素材と高度なカッティング、縫製技術を持ちながらもシンプルで、機能性も持ち合わせているというデザインが特徴だ。ユニクロにとっては、うまくハマれば鬼に金棒であった。しかも、海外展開を積極化する同社にとっては、知名度アップにも効果がある。
しかし、こだわりが強いジル氏と「小売業」のユニクロにどこまでフィットできたのだろうか。文化、考え方のまるで違う両者だけに、判りあえなかったのだろうか。