香港の高級住宅の7割を中国富豪が購入

 香港では1億香港ドルを超す超高級住宅の約7割を中国大陸からの大富豪たちが購入している事が明らかになった。こうした中国富豪の動きが、香港やアジア周辺諸国の高級住宅市場の構造を変えるかもしれない。

 統計によると、1000万香港ドル(約1億円)の物件では約20%、2000万香港ドル(約2億円)では30%、5000万香港ドル(約5億円)では40%、1億香港ドル(約10億円)を超える超高級住宅に至っては70%を中国大陸からきた富豪が占めていた。中国富豪は、既に香港高級住宅市場の主な消費者群となっている。

 中国の富豪が、新しい不動産を求めて外へ出るのは、国の政策がある。特に今年1月以降、中国では次々に家が買えなくなっているのだ。不動産のあまりの高騰で、国民の不安が爆発することを恐れた政府が、次々と住宅購入の「制購令」を出しているためだ。

 例えば、北京ではすでに1軒の住宅を持っている人はもう一軒までしか家が買えなくなってしまった。上海、天津、広州など大都市でも、同じような制購令が実施されている。

 不動産への行き場を失った膨大な中国マネーは、香港など他の市場に流れ込んだ。こうした現状を背景に、香港では1億香港ドルを超す不動産の取引が、昨年比2倍の伸びを見せているという。

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