写真で届ける世界遺産(フランスその2、ミディ運河)

 大西洋に河口をもつガロンヌ川は下流にボルドーがある有名な川ですが、ガロンヌ川の上流のトゥールーズと、地中海の港町セートの間、240キロメートルを結ぶのが「ミディ運河」です。

 支流部分も含めた総延長360キロに及ぶ運河は、着工が1666年、完成が1681年で、これにより大西洋と地中海が結ばれました。

 写真はトゥールーズの駅前で撮った、ミディ運河です。想像していたよりは、はるかに小さいので「これが世界遺産の運河なの?」と絶句してしまいました。


 ちょうど船が来ました。水門の開け閉めによって高低差を乗り越える閘門(こうもん)式運河で、水門から水を流し、高低差が無くなると、水門を開けて移動します。ミディ運河にはこの閘門が80以上あるそうです。

 水位が変化するので、船と岸壁をロープで固定し、水位とともにロープを調整します。この船は女性が1人で全ての作業を行っています。


 ゆっくりとしたスピードで水位が下がり、船が徐々に下がっていきます。


 20分くらいかかったでしょうか。水門の前後の高さが同じになり、水門が開き始めました。


 水門が完全に開いて、船が進み始めます。船の左側の運転席で先程の女性が舵を取ってます。手前には、何もしないで座ってる旦那らしい男性と、寝そべる犬。舵が奥さん、家事も奥さん? 余計なお世話ですね。


 写真はカルカッソンヌの駅前で撮った写真です。ここからはミディ運河クルーズが発着し、1時間から3時間のミニクルーズを、のんびり楽しめるそうです。今は奥の船着き場と手前の水路の水の高さを調整しているところです。


 写真はカルカッソンヌからボルドーに向かうTGV(フランス高速列車)の窓から撮ったミディ運河です。奥に大きなガロンヌ川も見えますが、並行して運河も続いています。


 昔は地中海と大西洋の間の航路はジブラルタル海峡を通らねばならず、遠いうえに、海峡の通行料が高く、しかも海賊が横行し危険だったことから、ミディ運河の開通により、ヨーロッパの交易は大いに栄えました。

 しかし19世紀末にミディ鉄道が開通すると、ミディ運河もその役割を終え、今では格好の行楽地として人々を楽しませています。

 ミディ運河の観光は国道113号線を車で走る方法もありますが、時間があればカルカッソンヌからミニクルーズに乗り、運河沿いの糸杉やプラタナスを眺めながら昔と同じようにゆっくりと航海を楽しむのはいかがでしょうか。

 ちなみに、ミディ運河は1996年に世界遺産に指定されました。

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