貫禄と品性がオーナーを引き立てる
オーナーを引き立てることが美学
つまり、マイバッハにとって最も大切なものは自らのオーナー。大きなボディーに似合わず常にオーナーを引き立てる最高のホスピタリティは、他の車には醸し出すことはできない特徴。1920年代にデビューを果たした時から、その役割を担うことを宿命付けられてきた。自分たちが乗るにふさわしい車だ。そう考えた、当時の王侯貴族、政治家、スターたちはこぞって所有した。
マイバッハ親子の魂の結晶
ウィルヘルム(左)とカール
自動車が大量生産の時代にあって、1921年。ついにマイバッハ・サルーンを完成させた。米ニューヨークなどの街を行きかい、その贅沢を尽くした高級感は他車とは完全に一線を画したが、戦争を経て40年代に突如姿を消してしまった。
2002年待望の復活
王侯貴族にも支持されてきた快適空間
室内空間は最大限のくつろぎを与える。その大きく重い車体を引っ張る力は、12気筒5.5リッター・ツインターボエンジン。そのパワー、トルクは乗用車としては世界最高レベル。かつての最高峰ベンツ600をも凌駕する超高級車だ。カラーは17色を選択でき、専用の特別塗装色を採用した外観やナッパレザーのシートやカーボンを使ったトリムによる内装など、超豪華な仕様が施されている。2007年2月には、AMG社のチューンにより450kW/1000Nm のパワー&トルクを発生するV型12気筒6.0リッターツインターボエンジンを搭載した「62S」を追加した。
また、乗り心地はずば抜けている。高速走行などいかなるコンディションにあっても室内は静かで、さすがは王侯貴族に長く支持されている、ということがわかるだろう。まさに、いかなる時間においてもくつろぎに満ちた空間が約束されている、といっても過言ではない。
もたらされる名誉と富裕層の仲間
毎年オーナーだけに豪華な案内状が届く。それは、所有者のみを対象に様々用意された各種のイベントだ。全米OPが行われるペブルビーチゴルフリンクスでのゴルフ、あるいはポロの大会、パーティーなど。集まるのは世界中の富裕層のみ。ここに入るということは名誉であり、少しくらい言葉が通じなくても臆することはない。
富裕層たちにとっては、オーナーという共通項を持つ者同士の集いということもあって、数少ない心を開くことができる場所でもある。マイバッハを話の肴に、同じ境遇の友人を作る絶好のチャンスとなるだろう。ここでもこの車は、オーナーに利益をもたらしてくれるありがたい存在だ。あるオーナーは「上品さと、乗り心地の良さは他の車では考えられない」ともいう。いつまでもオーナーである、あなたの高い期待を裏切ることはないだろう。
マイバッハ62S(5988万1500円、右ハンドル)