議長の解任動議「3度」!異例の東電株主総会

質問が途切れる前に採決へ


勝俣恒久会長
 総会も開会して3時間半が経過したころだった。まだ発言していない発言希望者が多かったのだが、議長の専決で、議案の採決に移ることを告げた。

 そうすると、会場から壇上に詰め寄ろうとする株主と警備員が揉み合いになるなど、収拾がつかなくなってしまった。「席にお戻りください」「ご静粛に」と議長は連呼しても、なかなか収まらなかった。

 そして、そこに別の男性株主から、異例の三度目となる議長解任動議が出された。

 「議長の解任動議を採決するのに、なぜ自分自身で議長をするのか。清水さん(正孝社長)に代わりをさせるなどしないとおかしい」

 「公正な議事進行をしているので、続けさせていただきたい」と勝俣議長。しかし、動議を諮らざるをえなくなり、採決となった。これも第一会場だけの挙手の数では、微妙ながらも否決となった。

 さらに別の株主からは「わたしは早く来たが、前の席にはほとんど物が置いてあった」「(取締役発言の後の)拍手が起きるのは前からだけ」という意見もあり、暗に社員やOB株主が前に陣取っていることを主張する質問もあった。

 取締役17人は全員が選任されたものの、不満がくすぶったままの後味の悪い異例の総会となった。

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