太平洋に陸上の1000倍のレアアースが存在

 東京大学は4日、太平洋の深海に陸上の1000倍にも相当する大量のレアアースが存在する、と発表した。東大大学院工学系研究科の加藤泰浩准教授らのチームが発見し、英国科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に掲載された。

 加藤准教授らは、南東太平洋や中央太平洋に、見た目は普通の泥にもかかわらず、高品位のレアアースを含有した“レアアース資源泥”が膨大な量分布していることを発見。

 従来海底鉱物資源としては、【1】熱水性硫化物鉱床【2】マンガンクラスト鉱床【3】マンガンノジュール鉱床の3種類のものが知られていたが、レアアースを豊富に含有した全く新しいタイプの第4の海底鉱物資源が発見されたという。

 このレアアース資源泥は、レアアース含有量が高いこと、資源量が膨大(陸上埋蔵量の約1000倍)かつ探査が容易なこと、開発の障害となるウランやトリウムなどの放射性元素の含有量が少ないこと、レアアースの回収が極めて容易なことなど、メリットが多い。

 東大は「深刻なレアアース資源問題を解決に導く可能性がある画期的な研究成果と言える」としている。


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